The Shapeshifting Detective

他人に変身することができる探偵となって殺人事件の犯人を見つける、実写推理アドベンチャーゲーム。

ゲームとしては事件のアリバイを聞いたり他の人物の印象を教えてもらったりと容疑者たちから話を聞きながら犯人を特定していくことになる。物的証拠を集めるとかそういうのは無い。
他の推理ゲームと違う点としては変身能力で他人になりすまして聞き込み調査を出来ること。時には推理と関係ない面白い展開が見られることも？

陰影を意識した実写映像はグッド。薄暗いところで話してるだけで誰もかれもが怪しく見える。
映像は一つ一つが基本的に短めになっていて合間で主人公の返事を選択することでどんどんと派生したり会話を終わらせたりすることが出来る。
1600以上の映像を使用してるという謳い文句だがプレイしてみると細かく映像が分かれているのでまぁそんなもんだろうという感想。とはいえ労力のかかった作品ではある。

本作は事件の犯人がランダムとなっている。犯人によって得られる会話などが多少は変わるものの大筋は変わらないので手放しで納得できるシナリオかというと疑問符は付く。
一度クリアした後は映像スキップが可能になるので周回は楽になるが上記の理由で正直なところリプレイ性はあまり高くない。
スキップ機能は常時使用可能なので初見の映像でも使えてしまう。選択肢までスキップするので選択肢を挟まないタイプの「前半は見たことあるが後半は見たことない」映像も容赦なくスキップしてしまいがち。
またスキップは使用した時点で映像が止まり選択肢が表示されるのである程度は話の流れを覚えていないと何に対しての返事を要求されてるかが把握できない場面も多い。

アリバイも不明で怪しい人物がそのまま犯人という推理ゲームとしてはかなり面白みのない内容だが実写のアドベンチャーゲームとしては楽しめた。
日本語対応も基本的に問題ないが一部映像の字幕があまりに切り替わりが速くて読み取れないことがあった。
おすすめ、ではあるが購入はセールを待つぐらいがちょうどいいだろう。