Rime
著者はまだあなたの言語で説明を提供していません。
A land of discovery stretches out before you. Explore the beautiful yet rugged world of RiME, a single-player puzzle adventure. In RiME, you play as a young boy who has awakened on a mysterious island after a torrential storm. You see wild animals, long-forgotten ruins and a massive tower that beckons you to come closer. Armed with your wits and a will to overcome—and the guidance of a helpful fox—you must explore the enigmatic island, reach the tower's peak, and unlock its closely guarded secrets. Explore – Discover the mysterious island at your own pace. Interact with wildlife, search for hidden items or simply take in the sights and sounds. Solve Puzzles – Make your way through the ancient ruins and its hidden marvels by solving puzzles with sound, light and shadow projection, perspective, platforming, and even time manipulation.
Steam User 68
容量8GBくらい 日本語対応
謎の島の海岸に打ち上げられた少年が自らの謎を解き明かすストーリー
少年の声には不思議な力があり叫んだり歌ったりすることで道を切り開いていく
パズルといっても割りとアクションで時間制限があったり緻密な操作を要求されるものもある
基本的には「The Witness」に近い雰囲気(そこまでむずかしくはない)
一応層の概念があって層をクリアする度に過去の回想、つまり自らの記憶がちょっとずつ明らかになる
道案内(ヒント)をしてくれる謎のキツネ、道中に度々現れる謎の赤マント…
壁画がストーリーに関与していたり、様々な生き物と協力したり、「Papo&Yo」っぽさもある
とにかく謎だらけの中すすんで行くものの、美麗なグラフィックとジブリっぽい素敵なBGMでだれることなく進行できる
Steam User 55
絵画のようなアニメのようなグラフィックが特徴的なアクションアドベンチャー。
物語は記憶を失った主人公の少年が、謎の島で目を覚ますところから始まる。
道中のパズルを解いて、島にある塔の頂上まで登るのが目的。
ico等のクリエイター上田文人作品を彷彿とさせるような雰囲気であり、一部それを意識しているような部分も見受けられる。
ゲームはステージが区切られているが、ステージ内はかなり広く、特に1、2ステージは半オープンワールドのようになっている。
アクションはクライミングが可能で、収集要素においてフィールドを色々探索することになる。
パズル自体は少し考えれば分かる程度の、ストーリー進行を阻害しないバランスの良い難易度。
パズルを解く事によるギミックの演出がとても綺麗で、パズル自体を解く楽しさに繋がっている。
プレイ時間は6時間程度。収集要素含めたら8時間程度か。
グラフィックと演出、雰囲気作り、音楽の完成度が非常に高く、島自体の不思議感はとても素晴らしい。
特にステージ1の青い空・海と白い建造物の対比はとても美しい。
不満点としては以下2点。
・シナリオの全貌は収集要素、特に「鍵穴」を全部集めないと分からない
・一部クライミングの操作性が悪い部分がある
質の良い、謎解きタイプのアドベンチャーを求めてる人におすすめ。
Steam User 27
はじめにPVをみて、ICOに雰囲気が似ているな~と思いつつ購入してプレイしました。
ICOに影響を受けたのかなと思われる描写が実際たくさんありました。
コレクションなど一切気にせずストレートにクリアして5時間くらいでした。
全体を通して音楽が美しいです。
風景も綺麗で雰囲気もよく、ICOなど雰囲気ゲーが好きなら楽しめると思います。
クリアまでプレイすることで真価を発揮する作品です。
ぜひ最後までプレイすることをおすすめします。
Steam User 11
雰囲気系の謎解きアドベンチャー。探索や謎解きの要素はあまり深くないが、ゲーム側の誘導が強くほとんど詰まることなく進めるので、ストーリーと雰囲気を味わうアドベンチャー作品としては良好な出来。深く考えて解く要素は少ないため、パズルを求めている方向けというよりリラックスして流れに任せてサクサク進めたい方向け。
白い石材の建物が印象的で、グラフィック表現や壮大な音楽などの雰囲気はとても良く、単純に進めていて楽しい。単純な探索や視点のトリックで物を見立てて解く場面など、謎解きもそれなりに多様。プレイフィールは風ノ旅ビトなどの作品に近いため、そういう作品が好きな方には合うだろう。
難点としては、暗すぎて地形が見えにくい場所が何箇所かあること。フレームレートの問題を感じる場所もあった。とはいえ全体の作りの良さに対してあまり大きな問題には感じなかった。
死を受け入れる過程がテーマになっており、ゲームの最後の最後になってこの物語の意味がわかる構造。複数の章に区切られており、プレイ時間は少し長めで5時間程度。コレクション要素や実績もあるが、あまりそこに気を取られると全体の流れが楽しめなくなるので、おまけ程度と思ったほうがいい。
リラックスするゲームがしたいなと思った時にライブラリにあったこの作品に手を付けたが、まさにうってつけだった。おすすめ。
Steam User 18
【言語】日本語
【難易度】普通
【実績難易度】普通
【実績コンプリート時間】15時間
アクション多目の雰囲気ADV
ゲームを終えた感想は面白かったです。ですが、序盤でちょっと中だるみしてしまい「止めてしまおうか」とも思いました。もうちょっとプレイしようと続けてみたら、最終的には最後までやって良かったなと思える作品でした。
ICOやワンダ、Papo & Yo や風ノ旅ビトっぽいというレビューも多くありますが、結構違います。そこはまぁ別のゲームなのであたりまえですが・・・あくまで「似ている」というだけなので、そこに期待しては駄目です。
たしかに「ICO」のように声を出したり、クライミング要素がありますが、雰囲気重視なので物語のワクワク感は「ICO」程ではありません。逆に物語は「風ノ旅ビト」風で会話は一切なし。映像や壁画のイラストだけで物語を読み取っていくタイプですが、「風ノ旅ビト」ほど雰囲気重視になりきれてないといった感じです。
以下少し個人的な文句が多くなりますが、申し訳ありません。
【〇】雰囲気・音楽・カジュアル
やっぱりまず初めに雰囲気でしょう。少しマットなイラスト風グラフィックが物語に非常にマッチしています。どのステージも外の風景、遺跡群などの背景が幻想的で素晴らしいです。
また特に良いのが音楽。これは本当に素晴らしい。すべてのシーンにマッチした壮大な音楽は完璧だったと思います。ゲームも面白かったですが、「音楽が良かったな」という印象の方が強く頭に残るぐらいです。
パズルもそこまで難しくはなく、ちょっと考えればクリアできる程度。説明がないのでやや詰まる所もあるかもしれないが、何度かプレイすればクリアできるはず。
最後の良い所はリトライのしやすさです。
高い所から落ちても、落ちる直前からすぐリトライ。死んでしまうような事があってもすぐに直前から始められます。ストレスなくプレイできるのは良いと感じました。
【△】導入が良くない
私が最初に中だるみして止めそうになった部分……ステージ1とステージ2のマップの広さです。
とにかく広い。何の説明もないので、ひたすらマップを歩き回る事になります。一応ヒントの「キツネ」さんがいて「キツネ」さんがいる場所が目的地だったりするのですが、マップが広すぎてその「キツネ」さんが見つからない。
水中まで潜れる作り込みはちょっと感動して素晴らしいと感じましたが、オープンワールドのゲームではありませんので、やはりそこはストーリーの道しるべが欲しかった。
厳しく感じるのはまだ序盤だという事。何の盛り上がりもないですし、わけもわからずただ広いマップをダラダラと歩かされるのは苦痛でした。
しかしステージ3から丁度良いマップの広さになり、ちゃんと雰囲気とストーリーを追わせる作りになってきますので、なんとか止めずにプレイする事ができました。
【△】ゲーム性
パズルやクライミングアクションの多さも気になる部分です。
ここが「雰囲気重視になりきれてない」と感じた部分で、ちょっと多いと思いました。ゲームの内容的には雰囲気で勝負しても良い内容だと思うのですが……ゲーム性を持たせようとした結果「雰囲気40% + パズル30% + クライミングやアクション30%」という感じです。
困った事にパズルとクライミング + アクション部分はあまり面白くないんです……ちょっと残念です。
ちなみにクライミング時に視点が固定される部分も多く、キーボードでは絶妙な「ななめ入力」がやりにくいのでコントローラーでプレイした方が良いかもしれません。キーボード + マウス ではプレイしにくかったです。
【△】雰囲気
雰囲気は良かった点でもあげましたので、基本的には良いのは間違いないです。ですが全体的に暗い部分も多いので、オプションで明るくした方がいいかもしれません。
またこのようなタイプのゲームには珍しく、ステージによっては「昼」と「夜」の変化があります。これが思った以上に良くない。リアルだからいい……のではないのだなと改めて思いました。
雰囲気ゲームは雰囲気を盛り上げるのが最重要。とにかくたとえ「嘘」でも背景やオブジェクトが一番綺麗で幻想的に見える演出をした方が、うっとりとした気分になり映えるのです。
これはアニメと一緒の感覚だと思います。たとえ嘘でも物理法則無視した方がカッコよく見えるというやつです。
つまり「夜」が本当に微妙。せっかくの綺麗な景色なのに、真っ暗で雰囲気が台無しです。例えば夜は植物が光ったり、蛍の様な光が空を舞ったりしていれば……夜なりの雰囲気が楽しめたのでしょう。そのような演出は無くただ真っ暗になるだけです。
【×】実績・やり込み
このようなゲームのレビューで何度か書いた覚えがあります。
個人的な意見にはなりますが、雰囲気ゲームに余計なやり込みはいらないと思います。純粋に雰囲気だけで勝負して欲しいです。
実績に関しては実績に興味がある人だけなので、ほとんどの人には関係ありませんが……結構いろんな実績が用意されています。雰囲気ゲームはクリアしてOKでいいのではないだろうかといつも思ってしまいます。
特に感じたのは雰囲気ゲームで「わざと死ぬような実績」は雰囲気が損なわれますし、不快な気分になってしまいます。
また一番気になった問題は実績ではなく、隠しアイテムです。
とにかく沢山あります。おそらくプレイヤーを楽しませようという考えでしょうが、これがなかなか大変です。しかもこの隠しアイテムは集める事により、物語をより深く知る事ができる「隠しイラスト」を見る事ができます。
本当に小さなオマケ要素です。見る必要は無いかもしれません。ただ、ゲームクリア後にこの絵を見ると「あぁ……なるほど」と少し理解が深まります。
このようにストーリーに関わる要素を別で用意しているのは、あまり好きではありません。プレイヤー全員が平等に同じプレイをすることができないので、「このシーンは○○だよね」という考察や感想を言い合う事ができない……物語を楽しむ雰囲気ゲームとしてはどうかと思います。
一度フォローを入れておきますが、「雰囲気ゲーム」における感想です。RPGやアクションゲームの事を言っているわけではありません。
結局知りたければやり込むしかないのですが……広いマップを探し回ってもなかなか見つからない。わざと崖から落ちて○○する等、本当に隠してあるので大変です。結局わからないから止めてしまう人もいるでしょう。また攻略動画を見るしかない人も出てきます。
これでは純粋に雰囲気ゲームが楽しめません。イースターエッグ等のお遊び要素ぐらいにしておくべきだと思います。
ここが「風ノ旅ビト」や「ABZU」のように「余計な要素なんていらない!雰囲気だけで十分!これで伝えたい事は伝わるんだ!」という思い切りの良さが、このゲームには足らなかったんだなと感じてしまいました。
開発者はプレイヤーに色々と探し回って楽しんでもらおうと考えたのかもしれません。逆効果のように感じます。たまたま私のレビューを読んで頂いた方は「隠しイラストが見れるんだ!」と思ったかもしれません。
ですが残念ながら、クリアしたからそのままアンインストールした人も多いでしょう。折角作った要素がプレイヤーに伝わらずもったいないと思いました。
最後に
最後は熱く語ってしまいました。すいません。
普通にプレイすれば1週クリアは7時間程。やり込みは攻略を見るかで変わりますが、15時間程でしょう。
クリア後はステージセレクトが可能で、どのステージになんのアイテムがあって、いくつ回収したのかという表示は見れます。
イベントシーンのスキップはできませんので、2週目はやや面倒です。
また少し文句が多くなりましたが、クリア後はそれでも遊んで良かったと感じました。それは間違いないです。またパズルやクライミングも好きだよ。マップを歩き回るのも大好きという人にはピッタリな作品だと思います。
中盤からの盛り上がり~エンディングの流れも素晴らしく、決して悪くはないゲームだと思います。
ぜひ最後までプレイして欲しい作品だと思いました。
Steam User 22
謎解き主体のサードパーソン視点アクションゲーム。
プレイしたことのある方ならPapo & Yoを思い出すかもしれない。
謎解きの難易度はかなり手加減している印象で、手詰まりになることはなかった。戦闘要素はなく、アクション性も大して問われないので、色彩豊かな世界をのんびりと進めるとよい。
プレイ時間は8時間ほど。コンプリート要素があるようなので、実際はもう少しかかるかな。
惜しむらくはボリュームが物足りないこと。
2000円台の価格帯のゲームとしては申し分ない。フルプライスでこのゲームに会いたかった!
Steam User 21
初回クリア時のVer.は1.0.4。初周クリアに要した時間は約6時間。全実績解除までは約12時間半。
Pros:
扇情的なオーケストラスコア
色彩のバランスとコントラストが映えるアートデザイン
言語に依存しない体験
表情豊かなアニメーション
進行を阻害しないパズル
Cons:
デモスキップできない
セーブファイルが1つしかない
ステージセレクトで冒頭からしか再開できない
閉所でのリアルタイムカメラ
とにかく最後までプレイしてみて欲しい
RiMEは三人称視点による3Dプラットフォーマーのパズルアドベンチャー。調べるとリリースまで相当紆余曲折があった模様。当初はMicrosoftの独占タイトルEchoes of Sirenとして開発されており、リジェクトされたのち、今度はSonyからPS4の独占タイトルとして発表。初めて公の場に姿を現したのは2013年のGamescomで、その後開発元のTequila Worksが著作権を買い戻してマルチプラットフォームとしてリリースに至った経緯がある。少なくともプロジェクト自体は2012年以前より稼働していたと見るのが適切ではないかと思われる。
激しい嵐に見舞われたのち、柔らかな波打ち際に打ち上げられた少年が目を覚ますとそこは白い塔がそびえ立つ絶海の孤島だった。最初にプレイヤーに与えられる情報はこの程度の最小限なもので、何をすべきかどこを目指すべきなのか全くもって分からない。フィールドもそれなりに広く迷いそうに見える。ただ最後まで不思議と迷うことは無かった。一見広く見えるフィールドも、海から範囲外へ出ようとすると水母がいて押し戻されるように、移動できる範囲は存外狭く作られている。次に進む一歩を見失いかけたときに、石畳の道や岩壁の汚れきず、夜間に聳え立つ光の柱など、自然と移動しなければならない場所へと導く、露骨に主張しない巧みな視線誘導が感じられた。
この感性はチュートリアルに対しても通ずるものがある。進行を中断する通過儀礼めいたチュートリアルはなく、初めて行う操作の折に操作方法を示すアイコンがすっと表示され、気になるオブジェクトにそっと光が添えられる。体験を阻害しないための配慮と美意識には感心した。
美意識といえばビジュアルについて言及せずにはいられない。ゲームを開始して真っ先に感じたのは、ただただ吸い込まれるような空と海の青が美しいということ。トゥーン調のシェーディングと光沢が抑えられたマットな色彩は過度にリアルな印象を与えず、絵本の中のような不思議な世界観を構築するのに機能している。彩度が抑えられているゆえにジョルジョ・デ・キリコを思わせる白の塔がより一層映えて見えるし、昼夜のサイクルによってガラリと印象を変える表情の豊かさや、ライティングとそれによって生じる陰影が絵本のような平坦な絵柄に濃淡の深みを与えているといった影響を確認することができた。端的に言えば色の配置とコントラストによる魅せ方が上手であり、美しい。
少年のアクションも実に洗練されている。基本的な操作としては走る・ジャンプ・転がる・叫ぶの4つしかなく、あとは地形との接触とパズル用オブジェクトへの干渉しかない。これらはコントローラーのアサインでいえばLスティック(Rスティックはカメラ操作であるがアクションの話なので割愛)と4つのボタンに集約され、肩にあるトリガーは使用しない。使用するボタン数を抑え、機能を集約したことでプレイヤーに強いる習熟コストを最低限のものにしている。殴ったり武器を振るう直接的な戦闘要素は存在せず、主軸である謎解きと探索に集中させる意図が操作体系からも読み取れる。
アニメーションの遷移も滑らかで、移動操作だけでも少年は実によく演技するし、見ていて楽しい。ただパズルプラットフォーマーというジャンルの特性上、進行をスキップできるようなショートカットには細心の注意が払われているため、掴めない地形は絶対に掴めない。ちょっとした階段状の段差を横から登ろうとした際に横からよじ登ってくれればと期待したものの、お間抜けな垂直ジャンプが出て興が冷めることが何回かあった。あまり気にし過ぎることではないのかもしれないが、アニメーション遷移判定の細部が気になる人はいるかもしれない。
パズルには賛否両論あると思う。なぜならそれほど難しくなく、大体は周辺をウロウロすることで完結することが多いからだ。より複雑なパズルを求める人にはこれは看過できない問題に見えるだろう。これは本作が進行に応じて後戻りできない作りであることに起因しているところも大きいが、意図してそう作られた背景があると見ている。パズル専用ゲームならまだしも本作はデモを含むシナリオ演出があり、それが動機となってプレイヤーをより没入させるための試練と報酬の構図がある。より力強くシナリオを押し進めるのであれば、一ヶ所に著しく長い時間拘束するのはテンポを損なう。だからちょっと頭を捻って少し考えたら解ける案配が最適解なのだと思う。実際ユーザーが参加できるコンテンツ作成型のゲームでは、そのコンテンツが極悪に難しいステージで溢れかえるのはよく見かける光景である、と言えばわかってもらえるだろうか。
報酬としてイベントデモなどのシナリオ演出を挙げた。アンビエントなBGMが流れる中、パズルを解くとリアルタイムで不意にオーケストラのスコアがフェードインしてくる。ただパズルを解いただけで、行く先に思いを馳せるようなストリングスが響き、心の中が一気にざわめき立つ。この音に乗じ、美しいエフェクトを帯びた演出が始まる。抑えられた色彩ゆえにブルームの効いたエフェクトが一際目を惹くのは先述の通り。少し残念なのはリアルタイムで制御するゆえにデモスキップが見送られた点だろうか。ただそれでも本作のサウンドは掛け値なく美しいし、プレイヤーの背中を押してくれる力は強い。
リトライのしやすさにも幾つか言及すべき点がある。アクションでありつつもゲームオーバーは存在せず、たとえ高所から落下したとしても最後に立っていた地形からすぐに復帰してゲームを再開できる。また進行に応じて要所要所でオートセーブが走り、巻き戻りが最低限に抑えられているのも特徴だ。収集要素は取得するごとに個別にセーブが入るため、取った時点で記録される。再開時は進行に応じたセクションの冒頭からとなるが、取ったアイテムは既に持った状態となっておりフィールドからは消えている。つまり普通に進める分にプレイヤーはいつでもやめたいときにやめられるように配慮されている。
ただ問題としてセーブファイルが1つしかないことが挙げられる。これがオートセーブであること、後戻りできない作りであること、探索による収集要素が大量にあること、との相性が悪い。取り逃した収集要素を再度探しに行くことができないのだ。ゲームをクリアしたらステージセレクト(チャプタージャンプ)も用意されているのだが、1つのチャプターが長く冒頭からしかリプレイできない。コンティニューとしてゲームの再開時に適用されるセクションが、チャプタージャンプでは参照されないのは収集家を悩ませる種となっている。
最後となったが、シナリオとプロットについて語る。本作ではUIこそローカライズされているものの、作中で一切意味の通じる言葉を喋らない。何もわからない状態で孤島に投げ出され、知らず知らずのうちに塔の頂上へ導かれるように進んでいく。その旅路の途中でお供となり得る者もいれど、決して話す言葉を持たない。そういう様子をプレイヤーが見ることで少年は今きっとこういう気持ちに違いないと感情や感性で少年との一体感、結束を強めていく。明確な示唆を持たないゆえに、プレイヤーの数だけこうかもしれないというストーリーを作り出していることに成功している。最終的に一定の示唆は与えられるが、それは是非最後までプレイして確認して欲しい。私は少し複雑な気持ちになったが、それでもこのシナリオが好きだ。
何かを評する際にその指標として似たようなものを取り上げることはよくあることだ。ただ既視感に阻害されて自身の感性を放棄することはしたくない。既存の枠にとらわれることなく最後までプレイして感じてみて欲しい。私は本作を金字塔を打ち立てた偉大な先人達に負けず劣らずプレイすべき価値があると評する。近年は表現技術も向上し、時折胸をえぐるような体験をもたらすゲームに出くわすことが増えてきた。本作もそうしたゲームの一つで、だから私はゲームをプレイすることをやめられないのだ。