Night Call
著者はまだあなたの言語で説明を提供していません。
A mysterious serial killer stalks the streets of modern-day Paris. The body count rises, and the police are no closer to catching the culprit. You are a taxi driver and survivor to the killer’s most recent attacks, having barely escaped with your life. You have seven nights to help find the killer, or the police will pin it on you. These next few shifts will be far from ordinary or safe… Night Call is a non-linear, narrative-driven noire investigation game. You are no detective, but you do have a gift. Around you, people feel more at ease. They talk. They share their thoughts, their emotions, their stories… their secrets. To passengers, you are more than just a driver; you are also a friend, a confidant, a shrink. A voyeur catching a glimpse under the masked but very real lives throughout the City of Light. And you’ll need to play these roles well if you want to catch the killer. Use the limited time you have available each night to gather clues while earning money to pay your bills. Drive passengers to their destinations, hear their stories and choose your responses carefully—some are just regular people with a tale to tell, while others might reveal a clue that’s key to your investigation. Follow the right leads to uncover new info about the suspects, and don’t forget to make enough money to buy gas and pay your bills.
Steam User 11
有志による非公式日本語パッチあり。(X/Twitterで「ナイトコール 私家版」で検索)
夜のパリ、タクシーの中、乗客達とちいさな秘密
そこに自由、平等、友愛はあるか?
タクシー運転手として、パリという都市を生きる様々な人々と会話を交わし、この街を襲う連続殺人犯を突き止めていくADV
タクシーを運転し、運賃をもらいながら生活費を稼ぎ、乗客たちと会話することで手がかりを集めていきます。
事件は全部で3件。クリアまで5時間程度。
推理ADVとして特筆すべきものはありませんが、タクシーで交わす会話シミュレータとしては出色の出来です。
80人を超えるさまざまな乗客たちはほんとうに多彩。家出猫、同性との結婚を同僚に打ち明けられない男性警官、チック症を発症し卑語を連発する病の上品な老婦人、出会い厨、過去を懐かしみ現在を嗤うばかりの偏屈な老人、育児ナーバスな父親、過去の凄惨な事件でこころ壊した警官、曖昧に笑う日本人観光客、東京でも大阪でもどこにでもいそうな有象無象のあかの他人たち。誰もがそれぞれの事情、問題、見解を持ち、それぞれの人生を生きています。タクシーでのささいな会話を通して、そんな普段は会話もせずに通り過ぎていくような他人について知ることは、単純に興味深く、クリアした後もえんえんとタクシーを運転してしまう楽しさがありました。
そして会話を通じて、早すぎる変化やテクノロジー、LGBTQ、移民、世代間の軋轢、差別など現代の都市にまつわるいろいろな問題を肌で感じながら、なによりそこで生きる人々を通して欧州の矛盾と至宝である「パリ」という街の辛さと魅力を存分に味わうことができます。現代の都市の一面を克明に描く優れたゲームです。
会話のテキストは、市井の人々を虚飾なく丁寧に描いていてとても質が高いもの。会話では多くの人生と同様にずっとリアルでビターな展開が続きますが、どこかクールでドライな距離を保っているので、プレイしていて苦になることはありませんでした。たまに幽霊やファンタジー・SF展開が出てくるなどの展開も飽きさせず、それらの展開も時代や空間を越えて、確かに「パリ」という都市の一面であるのだと感じさせられます。
白黒の画面はノワールであるとともに、夜の雰囲気を演出し、音楽も主張しすぎずに少しだけ感情を彩るような抑制が効いた丁寧なものです。
十分におすすめできる作品ですが、バグが多いので注意してください。実績取得不可、会話の取得実績がつかない、まれに強制終了などが起こります。ただし、ゲームとしては支障なく最後までクリアできました。
日本で似たような作品と言えば、ドキュメンタリーの「ドキュメント72時間」などが思い浮かぶでしょうか。今の都市を生きるあかの他人たちと会話し、パリという街に思いを馳せる稀有なゲームです。
夜に少しずつプレイするのが似合うような作品でした。おすすめです。