Disco Elysium
著者はまだあなたの言語で説明を提供していません。
Disco Elysium is a groundbreaking open world role playing game. You’re a detective with a unique skill system at your disposal and a whole city block to carve your path across. Interrogate unforgettable characters, crack murders or take bribes. Become a hero or an absolute disaster of a human being. Unprecedented freedom of choice. Intimidate, sweet-talk, resort to violence, write poetry, sing karaoke, dance like a beast or solve the meaning of life. Disco Elysium is the most faithful representation of desktop role playing ever attempted in video games. Countless tools for role playing. Mix and match from 24 wildly different skills. Develop a personal style with 80 clothes items. Wield 14 tools from guns to flashlights to a boombox, or pour yourself a cocktail of 6 different psychoactive substances. Develop your character even further with 60 wild thoughts to think – with the detective's Thought Cabinet. A revolutionary dialogue system with unforgettable characters. The world is alive with real people, not extras. Play them against each other, try to help them, or fall hopelessly in love. Disco Elysium's revolutionary dialogue system, with partially voiced characters, lets you do almost anything.
Steam User 44
購入する前に知っておくべき大前提として、本作は日本人が考える「RPG」とはまったく異なる作品です。
ゲームジャンルとして適切な表現は「ゲームブック」の方がより近い感じがします。すなわちテーブルトークRPGなわけですが、本作は圧倒的なテキスト量とその独特なゲームシステムの二つの要素によって より「ゲームブック感」がマシマシになっている印象です。
ゲームシステムと特徴
ポイントクリック型の移動システムで、コントローラー操作にも対応しています。マウスの場合はダブルクリックで走り、クリックし続ければ歩き続けます。
ゲーム開始時に複数のスキルの中から得意なスキルを初期設定する事ができます。この得意なスキルの組み合わせで作中で行える行動に制限が出たり、突破しやすさに優劣が出る仕組みです。
また、若干のネタバレになってしまうかと思いますが、基本的に戦闘はありません。もう一度言いますね。戦闘は、基本的にありません。
宣伝商材画像ではディストピア風の世界でバリバリと鉄砲をぶっ放すゲームに見えますが、むしろ本作はまったくもって真逆の作品で、どちらかと言うと捜索と対話がメインであり、仮に殴り合いに発展したとしてもプレイヤーの技術介入の余地がない形で差し込まれるのが基本です。
いわゆるクエストのクリアによって経験値を獲得し、一定値が貯まる毎に主人公のレベルが上昇する仕組みがとられています。いずれのクエストも攻略手段はいくつか用意されていますが、先に述べた通り、スキルのレベルによって取れる行動や成功確率が変動する仕組みになっています。
しつこいくらい何度も言いますが、何をするにしてもアクション要素が殆ど無いため技術介入の余地は殆どない作りになっています。
プレイ中では洋服がいくつか手に入り、着る物によって一時的なスキルブーストを得る事ができます。
例えば絶望的に頭の悪い設定の主人公でも、それっぽい恰好をすれば少しは賢くなった気になれるし、腕力に自信がなくたって薄汚いタンクトップを着ればちょっとは筋肉がついた気もするので、それでクエストの突破率を底上げするような仕組みになっています。
また時間と日付の概念があり、時限式イベントなどの形でゲームの進行に影響します。
時間は自動で進むのではなく「誰かと会話する」「何かを調べる」「アイテム(文書等)を精査する」等のアクションを起こすと進む仕様になっているようで、マップをうろついていても時間が進むことは基本的にありません。
よって、歩いているだけで待ち合わせの時間を過ぎてしまうと言った事を心配する必要がほぼなく、そういった点でも やはりアクション性は極限まで削がれているといった設計になっています。
世界観としては一見して現実世界を舞台にしてるように見えますが、本作は架空の世界という設定らしくふんわりと似非科学がチラホラ出てくるのも特徴的です。
最大の特徴=問題点=利点
度々言及されるように、本作の最大の特徴はその膨大なテキストにあります。
何をするにもテキスト、テキスト、テキストで、あっちクリックしてもテキスト、こっちクリックしてもテキストなのですさまじく読むのがおっくうになってくるのは否定のしようがなく、これが本作の最大の問題点の一つでもあります。他の作品ならば動きで表現する部分まで徹底的にテキストに頼っている感じです。
ですが先にも書いた通り、テキスト責めがこそが本作最大の特徴でもあり、この膨大かつ過剰説明にも程がある文章量のおかげで世界に入り込みやすいというのも事実で、ゲームブック感をより強くしています。
おそらく この作りは意図的な物で、文章量の多さを否定すれば、この作品のアイデンティティを完全否定する事に繋がる事でしょう。これは小説にゲームがくっ付いた作品、すなわち電子ゲームブックなのです。
一方で、冴えないオッサンが片田舎でチンピラ相手に鉄砲をぶっ放してレベルアップするゲームを求めているなら、そういう品物ではないので避けた方が良いと思います。
そもそもこんなクソ長いレビュー読んでる時点で素質ありますよ貴方。
不快な点
本作が電子ゲームブックだという事を理解した上で、じゃあこの作品が快適に遊べるのかと言うと粗が多いなと感じてしまったのもまた事実であります。
まずプレイする前に心得ておいてほしいのがセーブはこまめにとる事です。
本作のオートセーブ間隔は前時代的で、下手すると2時間分くらいのプレイ時間をすっ飛ばしてきます。キングクリムゾンかな?
変なところにダメージを受ける選択肢が予見不可能な形で設置されているのが要因で、主人公の初期ステータスの割り振りによっては即死するので序盤ほどF5キーを押しまくる事を忘れないようにした方が良いです。
本作の主人公はマジで唐突に肉体的にもメンタル的にもポキポキ折れるので、侮ってはいけません。
主人公の移動速度の遅さ、ファストトラベルの仕様がいまいちよく分からない点も多少気になります。
物語やクエスト展開の都合上、主人公は同じ地域を右往左往する事になるわけで、移動系の不便さは本作のゲーム設計の都合上特に目につきやすい不満点の一つです。
目的地もふんわりしていて導線もかなり甘く、初見プレイではじゃあ次はどこに行けばいいんだよって事になるのがメチャクチャ多かったです。もうそうなったら、諦めて攻略サイトを見た方がストレスが無いと思います。そのくらいヒントが無いです。
ゲームシステムの都合上、何かをしようとする度にスキルチェックが入り、ある特定のスキルレベルが一定値まで達していないと挑戦すらできない、もしくは「成功率」が数パーセントしかないという事態に度々直面します。
まったく挑戦できないなら諦めがつくのですが2%の確率で成功とか言われると、結局のところセーブロードからのリセマラになっちゃうので不毛だなと感じてしまう事が多々。
ちょっと嚙み合ってないなと思う要素がチラホラ見られるのは率直にゲーム的な煮込みが足りないと感じてしまう点でもあります。
総評
ビジュアルに騙されそうになりますが、本作はテキストアドベンチャーを楽しめる人向けの作品です。
翻訳の質は極めて良く、オッサンが突然オネエになったり、華奢な少女がオジンになったり、その辺の専業主婦がガチムチの軍人になったりしないため、この文章量とキャラクタの数の翻訳をやり遂げた人は凄いなと思いました。
しつこいですが、ストーリー重視型のディアブロとかトーチライトとかグリムドーンみたいなもんか、もしくは初代fallout的な代物と思って買うと完全に失敗します。ていうか、宣伝映像とか画像とか説明文が悪いよ、これは。
だって戦いそうじゃん。マジで。
Steam User 30
オススメする人
・ チュートリアルがほとんどないゲーム が苦ではない
・プレイ中ほとんどの時間を 「文章を読む」こと に費やすのが苦ではない
・ 「人間臭い魅力」しかない登場人物たち が苦ではない
・主人公が「傷心中の酒浸りおじさん(アラフィフ)」であることが苦ではない
・ 「イデオロギー」や「架空の歴史」 に触れることが苦ではない
オススメする理由/オススメしない理由
ゲーム開始後何の説明もないまま「爬虫類脳」 に話しかけられ、極めて抽象的で概念的な会話を強いられる。
意味も分からぬまま話を進めると、主人公のおじさんが目を覚ます。
しかし丁寧なチュートリアルが始まることは決してなく、記憶にない過去の行いを罵倒され続けるポイント&クリックの世界に放り込まれる。
会話はフルボイス(英語)であるものの 、キャラクター達は決して主人公に媚びることはない。
個性豊かな登場人物たちは主人公を罵倒するか、利用しようと手ぐすねを引いている。
しかも会話のボリュームは非常に多く、1人のキャラクターとリアル時間で10分以上会話することもざら。
システム面も理解するまでは難解で、ゲーム開始前に振ったステータスが何を意味しているのかも説明されない。
地図の入手方法も解説されず、唯一の望みはまとめられたタスク一覧と相棒・キム刑事の同情心のみ。
ただし作りこまれた 世界観は素晴らしく 、新しく1つの世界を作り出したと言えるほどに奥深い。
ストーリー展開も見事 で、本筋とは関係なさそうなストーリーや過去の出来事も思わぬ形で関わってくる。
さらにゲームクリアには、それらの事実を知っておく必要は全くない。
そのため ロールプレイの幅も広く 、優しいおじさん/真面目なおじさん/冷たいおじさん/怒りんぼおじさん/狂ったおじさんなど、なりたいおじさんになることが可能。
「不親切とも言えるシステム」 と 「難解で奥深い世界観・ストーリー」 、そして 「ある観点では全く魅力的ではない登場人物たち」 。
極めて人を選ぶゲームであると言わざるを得ないが、それでも合う人にはとことん刺さる素晴らしいゲーム。
システム面の解説
主人公のスキルについて
「知性」、「精神」、「肉体」、「運動能力」 という4つの分野があり、その下に6つずつのスキルがある。
6つの スキルを強化する際の上限値が、「知性」などの数値によって決まる仕組み。
ゲーム中に獲得した経験値で伸ばすことができるのは6つずつのスキルの方で、ゲーム内で「知性」などの上限値を伸ばすことは難しい。(いくつかの方法はある)。
そのためゲーム開始前に設定する「刑事タイプ」によって、主人公のスキルの方向性がある程度決定づけられると言える。
スキルのレベルが高いほど、該当する 「スキルチェック」 で有利になる他、登場人物たちとの何気ない会話中でもスキルチェックが行われており、会話のヒントが得られる。
会話に割り込んでくる「百科事典」や「論理」、「意志力」や「共感」、そして「電気化学」や「反応速度」などは、全て主人公の内部で行われている会話。
スキルチェックに成功した上で表示されている場合、会話を有利に進めるためのヒントだったりするため、うるせえ!と突っぱねずに聞いてあげると良いかもしれない。
思考の内面化
登場人物たちとの会話や経験によって、主人公が「思考」を手に入れることがある。
この思考を時間をかけて「内面化」することによって、スキルへのボーナスや経験値の増加等のバフ が得られる。(デバフが付くこともある)。
ただし、思考を内面化した際のバフの内容は、内面化が完了するまで分からない。
ファストトラベルについて
ゲームプレイ中、とある地点に到着すると「ファストトラベル」が可能になったと表示される。
しかしおもむろに地図を開いてみても、ファストトラベルできない。
ファストトラベルができる場所は限られており、地図に表示されている場所のすぐ近くからしか飛べないため、注意が必要。
( 「ワーリング・イン・ラグズ」と「漁村」、「教会」の建物のすぐ近くから、その3か所にしか飛べない )
極力ネタバレなしの事前知識
あまりにも説明がないため、多少の説明が欲しいという方向けの説明。
プレイ開始15分で分かる内容ではあるが、完全初見で楽しみたい人は注意。
軽いストーリー説明
主人公のおじさんは警察官!
「レヴァショール」という街の、「マルティネーズ」という地区が管轄だよ!
ある日、ホテル「ワーリング・イン・ラグズ」に向かえって指示を受けたよ!
ホテルの裏庭に死体があるっていう通報があったらしい!
でもおじさんは傷心中……。
そのせいでアルコール依存症なんだ……。
だから派遣されてから3日間、ずーっと飲んだくれていたよ!
そしたらビックリ!
昨日の記憶どころか、生まれてから今までの記憶がほとんどないんだ!
名前すら思い出せないなんて、自分でも驚きだよ!
記憶がないだけじゃなくて、持ち物もなくなっちゃった!
家の場所も分からないし、今夜ホテルに泊まるお金もないんだ!
派遣されてきた別の警察官、キムにも呆れられちゃった……。
それでも捜査はしなくちゃならない!
早速捜査を開始するよ!
でも街ではストライキが起きてるみたい……。
なんだか異様な雰囲気だよ……。
もしかしてこのスト、事件に関係あるのかな……?
以上です。
強めのスキル
事件捜査や他人との会話で重要になるのは、「知性」と「精神」に属するスキルがほとんど。
特に「百科事典」と「修辞学」、「内陸帝国」と「共感」、「暗示」あたりが必要になることが多い。
「肉体」や「運動能力」のスキルが必要となることもあるが、服装のバフで何とかなることも。
もちろんロールプレイを楽しむことが最重要だが、刑事タイプでは知性と精神を高めにすることがおすすめかも。
おすすめの思考
ネタバレ回避のため取得方法は記載しないが、
「実質的芸術学位」と「ウォンプティ・ドンプティ・ドム・センター」については即内面化をおすすめするくらい壊れている。
その他TIPS
・地点ダブルクリックで走れる
・移動中は時間が進まず、何かを調べたり人と会話したりすると進む
・スキルチェックはクイックセーブ→ロードで何度も試行可能(もちろんゲームバランスは壊れる)
・ 地図は「ワーリング・イン・ラグズ」前の広場の左にある、本屋2階で購入/窃盗可能
Steam User 8
キム・キツラギ‐
「やぁ。57分署のキム・キツラギだ。
購入を迷っている画面の前の君にアドバイスをしようと思ってね」
キム・キツラギ‐
「まずこのゲームの特徴は膨大なテキスト量と、計算し尽くされた精緻なシナリオにあると言っていい。
小説、ノベルゲーム、TRPGが好きな人にはとてもオススメできるだろう。
逆にそれらを好ましく思わない人には勧めづらいかもしれないね」
キム・キツラギ‐
「だがこの手のゲームの中では完成度が抜群に高いと自信を持って言える。
濃密な体験ができるであろうこと請け合いだ。
どうだ、やってみたくなっただろう?」
1.- 「よし、買おう(財布から4,100リァルを取り出す)
2.- 「今は持ち合わせがないんだ、セールが始まるか給料日まで待ってくれ」
3.- もしかしてセールはこの間終わったんじゃないか?
Steam User 9
正直、難解で回りくどい言い回し、意味不明な選択肢の連続に最初は心が折れそうだった。しかし記憶を喪ってこの世界で目覚めてしまった主人公と同じ混乱状況に放り込まれることが、主人公への感情移入に一役買っており、わけがわからないまま事件解決の情報を集めるうちにゲームの世界観と欠落した記憶を補うピースも少しずつそろっていって、ある瞬間に急にそれらがカッチリはまり、主人公の視界が開けるとともにプレイヤーは隠喩の意味を理解する。結局、すべての隠喩や悪夢が伏線になっていて、解けた瞬間はなんともいえない感動があった。できるだけサブのタスクを頑張ってやり遂げた方が、ラストに心を動かされると思います。
Steam User 13
凄い熱量のゲームではあるけど合う合わないは確実にあるゲーム
架空の国どころか架空の世界の話ではあるのだが現実世界の戦間期の極左と極右がわちゃわちゃやってるがどっちが勝っても好転するわけでもないよね…みたいな感じの世情がまず合うかというのはあって
そういう世界設定を基盤にした政治経済的な堅い話を交えた長い文章を読むのを楽しめるかと言ったところ。その上で急にスピリチュアルな方向へ話が飛んだりもする
あと操作性が悪いのとゲームシステムがわかりづらいのでその辺もイライラポイント
非常に好評ではあるのだが、冒険!爆発!セックス!悪役の死!みたいな間口の広い感じの娯楽作品ではないのは注意したい
Steam User 7
「たとえ胡桃の殻のなかに閉じこめられていようとも、無限の天地を領する王者のつもりになれる」というのはどこぞの狂人の妄言だが、この作品をプレイした後だとあながち間違いでもないかもな、と思わされる。
「頭のなかは空より広い…頭のなかは海より深い…頭はちょうど神と同じ重さ」というのは神経衰弱の詩人が残した詩の一節だが、この作品をプレイするだけでその詩を理解した気持ちになれる。
こんな感じで煙に巻いた感想しか書けない程度しか本作を理解できていないが(大半のプレイヤーはおそらくそう)、単純に目で追いかけているだけでハイになってくるほどに本作のテキストが愉快だというのは間違いない。その一点のみでも『Disco Elysium』は傑作と言いうるかと思う。
Steam User 6
チョベリグ、最の高、アブソリュウトリィスーパーブetc...。このゲームについてあらゆる賛辞が浮かんでくるが、兎に角ぼくが伝えたいのは本作が紛れもない傑作であるということ。
特にローカライズに関しては良い意味で驚かされた。
インディーゲーム界隈では機械翻訳やキッズ翻訳が当たり前であるなか、本作のテキストはもはや「ちょっとした文芸作品」レベルに到達しており、いい歳こいた大人ゲーマー(「おじゲーマー」とも言う)であってもストレスなく楽しめる品質だ。
本作をウィッシュリストにぶちこんだまま放置している人々の中には、翻訳品質が気になって購入に二の足を踏んでいる者もいるかと思う。そいつらにぼくは言いたいのだ、「何も問題ないから安心して買おうね♡」と。