Cross Concerto

「未来へと続くこの道が、やがてあなたと交差する」
2019年に発売されたあっぷりけ10周年記念作品。2008年に発売された「コンチェルトノート」の数年後が舞台で、厳密に言えば、三部作合同FDの麻雀ゲーム「黄昏の先にのぼる朝日」を含めた時系列後の物語。成長した前ヒロインも登場するので、前作を遊んでいればニヤリとするシーンもあるが、解説もあるので”前作のプレイは必須ではない”。ぶっちゃけ、リアルタイムでプレイしていた人は”内容を忘れている”か”卒業”してると思う
”和風伝奇”をテーマとした作品で、あっぷりけ特有の兄妹のダブル漫才によるほのぼの…の裏で起きる事件を追っていくというストーリー。独自の世界観と用語が出てくるため、分かりにくい部分もあるが、全体の話の流れは理解できる。攻略キャラクターはサブ含めた7人、(パッケージ絵で分かると思うけど)とあるヒロイン√が最後に解放される実質的なグランド√仕様。
正直言って、他の√がグランド√の布石みたいな扱い。結ばれた後の各ヒロインとのイチャラブ成分も割と控えめ。特に最初に攻略しなければならない３人のサブヒロインは、そんなに話が大きく変わるわけでもないので挫折する人もいるかもしれない。グランド√についても、途中から一気に盛り上がってからの…完結までの流れは少し物足りないところもある。もう少し、各ヒロインとの繋がりを意識したシナリオだと嬉しかったというのが本音。
とは言え、妹である瑠璃ちゃんを筆頭にヒロインとの繋がりで光る部分もある。しっかりとタイトル回収もされており、1つの作品としては、ちゃんと完結されているため”おすすめ”としたい。運命が交差(クロス)した後のタイトル画面とＢＧＭは一見の価値あり。全世界のお兄ちゃんには大事なことだが「公式ＨＰでパッチ配布」がある。中国語版となっているが、言語が変わるバグとかないから安心だぞ！( ﾟДﾟ)
※蛇足だが、本作は資金不足によってクラファン形式で発売された作品。これらの経緯もあって、萌えゲーアワード2019年におけるイノベーション賞を受賞している。目標金額以上の支援によって、7人のヒロインが追加的に攻略可能となったこともあり、もしかすると本作のシナリオの構成に影響があったのかもしれない。また発売後にアペンドを配布する…ということだったのが、2022年現在も音沙汰がない。
それは構わないのだが、公式ＨＰやTwitterなどの更新も止まっている状況だったりする。我々が知らないところで苦労があるのだろう。どのような運命の交差になろうとも、クラファン版のサブタイトルである「Together, we all were able to create our future. Thanks」と言いたい。作品紹介を見る限り、steamでは海外向けの販売でしょうが、こうしてあっぷりけの作品に再び出合えたことに感謝です。